負け犬が何を思い、何をしてるのか

何も知らないくせに








空はいつだって淀んでる。そう思うのは自分の目が淀んでいるからだ。

そんなことを考えながら、空気中の気体部分を吸い込み、ブフゥウウウッと吐き出す。

ブピブゥウボビンボビンブロスピンッと吐き出す。

何をしようとも変わらぬ世界感。

敗北感? 否・・・不敵感。

どうせお前ら俺をあざ笑っとろう。

笑うがいい。せいぜい!!

俺の何たるかを知らずに・・・!!






歩いてきた。

ここまで・・・たくさんたくさん、たっくさーん!!

歩いてきた。

道中出会った、たくさんの人たち。

その人たちが発する言霊たち IS 薄っぺらな無価値感。

人の心の奥まで見ずに、情け無用の裁き祭り。

そんなやつらをブッ潰したくて

ここまで歩いてきた。





しかし変わらぬ世界感。

鳴り止まぬ嘲笑。

そんな世界で

ひとり

ぼっ

ち。





笑うがいい。せいぜい!!


負け犬が何を思い、何をしているのか


何も知らないくせに!!












じゅうおん!

作:ツイカンバン=ヘルニコフ









 前日の意識が散らかりっぱなしの部屋の中で

可笑刺 食屁汚(おかし たべお)は目覚めると、布団から飛び出し、「伸介ファミリー、いまいずこ」と呟くと

また布団をかぶり、約2分静止。

その後、そーっと布団から抜け出し、居間へと乗り込む。

「今日もダスティンホフマンみたいな表情ね」という母の言葉に憤りを感じつつ、朝食の何か黒っぽくてうまいヤツを食べ、顔を洗って家を出た。

そして向かうは「粗塩ブッカケマンの申し訳聞きそびれ高校」

食屁汚はそこの1年生男子生徒部分である。

あぁ・・・今日もクソみたいな一日が始まる。

そう思いつつ、憂鬱な表情で歩く。歩く。歩く。

歩く。立ち止まる。座る。にやける。立ち上がる。歩く。

時に大胆に、それでいて淫らに歩く。

そうしてたどり着いたのは1年おねしょ組。

食屁汚はいつものように「申し訳ねぇ・・・申し訳ねぇ・・・」と言いながら教室へと侵入し、着陸 ON THE 自分の席へ。

退屈な学校。通常運転感満載の日々。

そんな日々を変えるすべを、食屁汚は常に探しているのだ。






 3時間目の授業中、食屁汚は前の席の人のうなじを見つめていると

股間の凄いやつ(通称:元気君)が伸び始めてしまったのを感じる。

前の人、男の人なのに何故だろう・・・なんて考えていると

不意に先生に名前を呼ばれる。

そして、なんかわからんけど前に出てきて、黒板に書いてある問題を解け・・・とかほざき散らかされる。

しかし、元気君は起立している。どうする!!

ばれませんように・・・と祈りつつ、前かがみで起立。一歩ずつ歩き始める。

しかし、一歩進むことに漏れる THE オフッオフッという声。

色めき立つ教室内。



生徒@「うわぁー! あの子、おっきしてるぅー!」

生徒A「スケベ花火打ち上げ4649ぅ―!!」

先生「大人にんじん栽培注意報キタコレッ!!」

全生徒「がんばれ、がんばれ、NI・N・JI・N! がんばれ、がんばれ、NI・N・JI・N!」




鳴り止まぬ「NI・N・JI・N!」コール!!

嘲笑はフルテン状態

そんな状況に耐え切れずに、食屁汚は「びゅーっびゅっぴゅっぴゅるるぅうー!!」という奇声をあげながら、エスケイプ フロム リアリティー。

ゴー・トゥ・校外。

ゴー・トゥ・自宅。

ゴー・トゥ・自己嫌悪。





 急に帰宅してきた息子に驚く母を無視し、自室 OF 暗黒空間にこもる。

渦巻く不の感情。湧き上がるNikushimi や sonota kitanai omoi

そんな時にすることは、そう・・・

これ以外に食屁汚は涙の止め方を知らぬ。

これ以外に食屁汚は生き残る術を知らぬ。



















笑うがいい。せいぜい!!


負け犬が何を思い、何をしているのか


何も知らないくせに!!




つづく。






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