放課後。

入学してから少し経ったこの時期、みんな続々と部活動に加入して行き

未だ部活に入っていない生徒は少なくなってきていた。

帰宅の速さに関しては他の追随を許さない「帰宅の鬼」との異名を持つニンジンもそうである。



ニンジン「我が留まる時。それは死する時である」



しかし、いつもなら帰りの会は残像のみが参加して、本体はすでに帰ってるという帰宅の鬼が

この日は帰りの会の後も、何やらSOWASOWAしながら居残り生徒部分。

そう、ニンジンはこの日、部活の見学に行こうとしているのであった。



ニンジン「我が留まる時。それは死する時だと思ってたけど違ったよ」





学校に友達がほとんどいないニンジンは

部活に入ることで友達を増やし、素敵GAKUSEI LIFEを送ろうと思い立ったのである。

ニンジンが見学に行こうとしている部活

その部活の名は、軽音部

一昔前に流行ったアニメで有名なやつである。

そう、ニンジンは軽音部に入れば

ガチでKASHIMASHIネバーエンディングガールズトークができるのでは・・・・・・という淡い期待を抱いていたのである!!

軽音部の部室は音楽室

ニンジンはドキドキしながら、音楽室のドアの前に立っていた。



ニンジン「楽器とか、手を合わせてなんかオナラみたいな音を出すくらいしかできないけど、大丈夫だよね!!」





そう言うとニンジンは、軽音部室のドアを開けた。

このドアの先には、輝かしい青春が待っている。

友達のいない自分は、今日死ぬ。

明日からは友達いっぱい学園生活満喫マンとなるのだ!!

DOA OF 青春!!オープンナウ!!








ドアを開けると、そこには

イケメン、イケメン、イケメン・・・・・・

イケメン、イケ・・・クソブス、イケメン・・・・・・・



ここはイケメン波止場。イケメンのふるさと。

イケメンばかりが、そこにいる。

そしてそのイケメン達は、取り巻きのお茶目女子部分(ヤンキー風味ver.)たちを相手に、ペチャクチャペチャクチャお話の国状態。

楽器なんて、置き去りに・・・




ニンジン「・・・・・・・・・えーと」

モミアゲ長介「あ? ニンジンじゃん!! おい、みんな!! ニンジンがきてるぞ!!」

細木数男「うわ!! なんで!?」




そう、モミアゲ長介率いるイケメン集団も

軽音部に所属していたのである。




ニンジン「見学・・・・・・・」

モミアゲ長介「えー!! お前が!?」

森田森森「こいつマジかよ!! なんか楽器とかできんの?」

ニンジン「手で・・・こう、オナラみたいな音を・・・」




ニンジンは自慢のオナラ音を響かせた。

「ぷすっぴゅっぷっ」という音が、部室内に響き渡る。




ニトリル極薄手袋装着マン「お前!! それ楽器じゃねぇし!! 手だし!!」

モミアゲ長介「ハハハ!! 屁音担当か!! お似合いだよ、ニンジン!! 必要な時ねーけど!!」

ニンジン「あわわわ・・・・・・・」




音楽室内で嘲笑いパレードが開催される。

部員とその取り巻きたちはこの上ない笑顔で

ニンジンを指さしながら「屁風王子だ!!」とか「屁音人間BANZAI!!」とか、口々に言っている。

「歩く屁音発生装置」とか「食べ頃未亡人」とか

「はまじ顔」とか「ロシア臭」とか「ちしつ」とか言っている。

そんな圧倒的アウェー感にいたたまれなくなり、ニンジンは音楽室から飛び出すと

「プリーズ!!心のムーニーマン!! バッキュゥゥゥウウウウン!!」と叫びながら、自宅へと帰って行った。

音楽室には、いつまでもニンジンを嘲笑する声が鳴り響いていた。






自宅に帰るとニンジンは

BANGOHANも食べずに自宅に籠り

また再び、一人ぼっちのままで・・・・・・







これでいい、これでいいんだ。

育てよう、悪意を。









誰も知らないこの部屋の中で

全てを壊す 準備をしよう







その準備は、整いつつあった。





つづく。







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