ソチンが待ちくたびれて、ベンチでザーサイを食べ始めたころ
自慢治郎、みかん、ゲロの三人は「落武者」を目指して歩くことに倦怠感を感じ始めていた。
自慢治郎「・・・・・・もういいな。帰ろう」
みかん「がんばったよね、私たち。自分を褒めたげたいよ、もう」
ゲロ「なんかもう現場に向かったってだけで、援軍としての役割は十分果たした気がするでゲスよ」
自慢治郎「『いつやるの? 明日か明後日かそれ以降でしょ!!』がモットーだしね、俺たち」
みかん「でも、もうそろそろ活躍してるとこ見せないとマズいんじゃないかな。いくら目立っちゃダメだって言ってもさ」
自慢治郎「うーん・・・・・・そうお? みかんちゅあんがそう言うなら、いいよ。今回はやったりますか」
みかん「ウヒヒ! やったりますか」
ゲロ「えー。早く帰ってウイイレやりたい」
自慢治郎「ウイイレて。やりたいけども」
みかん「私たちの目的も忘れちゃだめだよ、ゲロ」
ゲロ「わかってるでゲスよ」
彼らの真の目的は、彼ら以外誰も知らない。
ただ、今言えること・・・・・・それは
耳カキやりすぎるとスゴイ汁とかいっぱい出てきて痛くなるよっていうことだ。
あと、おっさんは大体クサイってことも言えるし
横綱はみんなの憧れってことも言える。
言えること、いっぱいあるね。
あたし、嬉しい。
震えちゃう。
数分後
ザーサイを食べ終わったソチンが時間を持て余し、スネ毛を引っ張ったりしていると
突如不穏な雰囲気が周囲を支配する。
不自然な程の静寂・・・・・・そして突然空間に大きな亀裂が走る!!
その亀裂はバチバチと何かが弾けるような不気味な音を立てていた。
それはまるで不安の産声のよう。
ソチンは恐怖のあまりに痔を患う。
そしてその亀裂は、急にガバッと開き楕円形の穴になる。
そしてその奥から感じるのは、強烈な悪意。
この世の全てを否定するような、圧倒的な邪悪。
ソチン「何だこの雰囲気は・・・・・・今まで見てきた魔人とは比べ物にならないぞ」
ソチンは思わず屁を漏らす。
全身から吹き出てくる汗を感じつつ、全神経を悪穴の方向に集中させる。
それはソチン史上最大のHARITSUME感であった!!
ソチン史上第2位の「学芸会で唯一もらったセリフを言う瞬間」とは比べ物にならないほどのHARITSUME感!!
そして・・・・・・
ソチン「来るッ!!」
その瞬間!! ギリギリ視認できる程の速さで悪穴内から魔人が飛び出し、
一直線にソチンの方へと突っ込むッ!!アンビリーバボー!!
ソチン「うぉぉぉおおおおおお!!」
ソチンは持てる能力の全てを解放し、魔人を迎え撃つ構えを見せる!!
しかし、魔人はソチンを素通りしていく・・・・・・
ソチン「はにゃぁあん!! ご主人様、どこいっちゃったのぉお!?」
魔人はそのままトイレに
IN!!
トイレからは「ビュッ★ビュビュッ★」という音やら「あかんて」「完っ全、水だわ」とか言う声が聞こえてくる
ソチンはただ呆然とトイレの方を見つめるのだった。
数分後
ジャー!っていう音とともに、トイレから魔人が出てくる。
その顔は、心なしか青ざめていた。
ソチン「あのー・・・・・・」
スーパー元気いっぱい魔人 ポイチョンガルベイビー・アダスモン「・・・・・・ちょっと横になってもいい?」
ドキドキ魔人図鑑 NO.3
スーパー元気いっぱい魔人 ポイチョンガルベイビー・アダスモン
身長:176cm 体重:78kg
笑顔が素敵な元気っ子。いつもポジティブで、魔人界のムードメーカー的な存在である。
周囲の人を元気づける術に長けており、彼にかかれば治せない不眠症はないとも言われている。
必殺の「ごめんねチョップ」は岩をも両断する。
アダスモン「いっそのこと死にたい。もうやだ。おなかいたい」
ソチン「正露丸あるけど・・・・・・いるか?」
アダスモン「すんません、くださ・・・・・・あかん!! あ、、ああ、、、、あああ、、」
アダスモンは手でお尻を押さえながら、ああ、あ、あああ、、、というウメキ声と共にゆっくりと移動し
再びトイレに消えて行ってしまった。
ソチン「前の日食べ過ぎたんだ。我もよくそうなるから解る」
その時!!
「落武者」に三つの不審な物体 IS KAMINGU!!
そう、その不審人物感あふれる存在こそ、自慢治郎、みかん、ゲロの三人である!!
ソチン「あ、君たちが援軍か?」
自慢治郎「援軍だと!? ふざけるなッ!!」
みかん「言うたれ言うたれッ!!」
ソチン「え・・・・・・」
自慢治郎「貴様が魔人だな!! 俺たちレンジャーが相手だッ!!」
ソチン「ちくしょう!! この外見が憎い!!」
つづく
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